前編の続きです。
訓練生が全員ぞろぞろと入校式の会場である講堂に向かいます。
扉を開けるとまず、演壇に掲げられた校旗と日の丸が目に飛び込んできました。
BGMは定番中の定番、ヴィヴァルディ作曲「四季」より「春」です。
教室では普段着の訓練生も入り混じっていたので、入校式はカジュアルな感じかと想像していた矢先、講堂に入ると思いのほか厳かな雰囲気でした。
受講する科ごとにブロック分けされた椅子に座って開式の時間を待ちます。
入校式
さて、いよいよ入校式が始まりました。
式次第はいわゆる入学式のテンプレートです。
- 君が代斉唱
- 校長あいさつ
- 来賓祝辞
- 祝電紹介
- 知事からのメッセージ
- 訓練生代表あいさつ
好き嫌いはともかく、国旗掲揚や国家斉唱はいかにも公立といったところ。
長らくこういった学校の式典に関わりがなかったので、新鮮さを感じて一層身が引き締まります。
来賓として、訓練校を管轄するハローワークの職員の方が招かれていましたよ。
雇用保険の受給は通常の場合、受給資格の決定および雇用保険受給説明会に出席した後、4週間に1回ハローワークで失業の認定を受けなければなりません。
訓練中は、学校が失業の認定に代わる手続きをしてくれます。
訓練生はわざわざ定期的にハローワークへ足を運ぶ必要がありません。
来賓は、私たちの雇用保険の給付事務が移管されるハローワークの代表という立場のようです。
では、訓練生代表はどうやって選ばれたのでしょう。
「入試の成績がトップだったのかなー。」
「社会人になってあの数学で満点に近いなら、東大卒か前職は研究者に違いないわ!」
気儘にどうでもよいことを考えているうちに、入校式は粛々と進み滞りなく閉式を迎えたのでした。
雇用保険の説明
入校式に続いては、同じ講堂で各科の担任や就職支援の担当者、職員の紹介が行われました。
訓練生の人数を考えると、人員の割合的にそこそこ手厚いサポートが用意されている印象です。
ちなみに、関係者は全員がスーツもしくはジャケットを着用しています。
職員の紹介が済むと、総務課から必要書類の説明と今日この後にすべきことの指示がありました。
主に、雇用保険の受給に関わる内容です。
今日すべきこと
具体的な指示は、午後からハローワークに行って「公共職業能力開発施設入校証明書」を
「雇用保険受給資格者証」とともに提出することです。
併せて、前日までの失業の認定も手続きをしなければなりません。
また、人によっては「雇用保険受給資格者証」をコピーする必要があります。
保険や年金等の手続きに必要だからです。
「雇用保険受給資格者証」は総務課に提出すると、訓練生の手元には戻りません。
私はまだ年金と保険の手続きが済んでいないので、コピーは必須です。
明日までに用意するもの
明日を提出期限として──
- 「雇用保険受給資格者証」および「受講指示書」
- 「公共職業訓練等受講届・通所届」
- 「距離証明書」
これらを用意するようにと。
「距離証明書」は通学にバスを利用する場合だけですが、私は該当します。
今から帰宅するまでの間に、やることがたくさんあります。
漏れのないように気を付けなければ。
ハローワークに出向く
時計を見ると12時を少し過ぎたところでした。
訓練校の近くでさっと昼ごはんを済ませ、ハローワークに向かいます。
あ、そうだ。
通所手当を思い出し、定期券を買うことにしました。
ハローワークは帰りがけの沿線にありますが、切符は途中下車できないので電車賃が嵩みます。
1ヶ月と3ヶ月、どちらの定期券にしようか少し迷いましたが、クレジットカードの限度額が心許ないので1ヶ月にしておきました。
先日の友人の結婚式で、ご祝儀や諸々の出費により、現金なんてあろうはずもなく。
ハローワークに着くと、これから雇用保険受給説明会があるようで、会場の入り口に大勢が並んでいました。
長い列を横目に、私は職業訓練の窓口に直行します。
書類の提出
今日はあちこちの訓練校が入校式だったようですね。
私のような入校式の帰りと思しき若くはないフレッシャーズがたくさんいて、同じ訓練校の人も見かけました。
ハローワークでも多くの訓練生が来ることを見越して、専用の窓口を設けています。
さて、自分の番が来ていざ書類を出そうとしたところ──
「雇用保険受給資格者証」がない!
「公共職業能力開発施設入校証明書」は訓練校でもらいましたが「雇用保険受給資格者証」が手元にありません。
本来であれば、雇用保険受給説明会で渡されるのですが、私は説明会に出席していないのです。
先週の木曜日、受給資格決定の際に、説明会は行かなくてよいと言われました。
その旨を伝えると、係の人は一旦奥に引き下がり、数分後に私の「雇用保険受給資格者証」を手に戻って来ました。
先日の笑顔が素敵なお姉さんは、ちゃんとわかるようにしておいてくれたみたいです。
失業の認定
職業訓練の窓口で手続きが済むと、次の窓口へお進みくださいと言われました。
行ってみると、やはりたくさんの人が順番を待っています。
こちらは「失業の認定」の窓口でした。
当然のことながら、訓練生よりも通常の失業認定日として来ている人の方がずっと多いわけです。
待合席がほぼ埋まっているのは仕方ないので、時間がかかることを覚悟し、初めて手にした自分の「雇用保険受給資格者証」をよく見てみることに。
表面は主に個人情報です。
- 名前
- 被保険者番号
- 離職時賃金日額
- 基本手当日額 など
裏面にはシールが貼ってありました。
- 指示年月日
- 訓練の種類
- 訓練科名
- 訓練実施施設名
- 訓練期間
これらの内容に「上記のとおり職業訓練を指示する。」と一文が添えてあります。
どうやらこれが「受講指示書」のようですね。
つまり一枚の用紙の表と裏で「雇用保険受給資格者証」と「受講指示書」がセットになっているのです。
20分ほど経ったでしょうか。
ようやく順番が来て、係の人に「雇用保険受給資格者証」を渡したところ、引き続き待つようにとのこと。
改めて呼ばれ、ようやく失業の認定を受けることができました。
この窓口だけで1時間ほどかかったのではないかと思われます。
係の人と話すより、待つ時間の方が圧倒的に長いです。
やっとハローワークでの手続きが終わりました。
朝から夕方まで、初めてのことばかりで力の抜きどころがわからず、寝不足が追い討ちをかけて疲労困憊です。
家に帰れることが嬉しくてたまりません。
距離証明書
くたびれ果てて帰り着き、家でほっと一息ついた途端──
「距離証明書」を忘れてる!
虫の知らせのように突然、大事なことを思い出しました。
書類はすべて明日に提出なので、ゆっくり休んでる暇はありません。
慌ててバッグを掴み、急いでまた出掛けます。
バスの営業所が家の近くにあるのは不幸中の幸い。
それよりも、よくぞ忘れていることに気が付いたものです。
そういえば、バスの営業所の手前に定期券発売所がありました。
そこで発行してもらえれば、わずかでも時間と労力が省けます。
ダメ元で聞いてみたところ、その場であっけなく手に入りました。
これでようやく、今度こそ用事が片付きました。
- 「雇用保険受給資格者証」および「受講指示書」
- 「公共職業訓練等受講届・通所届」
- 「距離証明書」
書類は揃いました。
「公共職業訓練等受講届・通所届」は、訓練校が用意した書類に必要事項を記入して、ハンコを押すだけです。
明日に備えていつもより早くベッドに入ります。
こんな毎日で寝不足が続いては、身体がもちませんもの。
はぁー、疲れました。
最終更新日:2017年4月18日