日本全体を見渡して、働いている人のうち経営者や会社役員を除いた給与所得者は83%だそうです。
前の記事で日本人の平均年収に触れましたが、調査の対象はすべての給与所得者です。
雇用形態で分けてみると───
- 正規雇用 485万円
- 男性 539万円
- 女性 367万円
- 非正規雇用 171万円
- 男性 226万円
- 女性 147万円
正規雇用、つまり正社員が平均を引き上げています。
では、正社員として働いている人は、実際にどれぐらいいるのでしょうか。
パート、アルバイト、契約社員、派遣社員、嘱託社員などが給与所得者に占める割合は37.4%です。
私を含め、実に全体のおよそ4割が正社員以外の非正規雇用なのです。
裏を返すと、正社員として働いている人は6割ということになります。
非正規労働者の収入
では、非正規雇用に的を絞って見てみましょう。
連合総研(公益財団法人連合総合生活開発研究所)の2016年1月のレポートを参考にします。
出典:非正規労働者が主稼得者の世帯の2割に生活苦で食事回数を減らした経験あり
非正規のうち男性は58.0%、女性は89.0%が年収200万円以下です。
先に述べた通り、国税庁の報告によると、2015年の非正規の平均年収は男性が226万円、女性が147万円で79万円の開きがあります。
数字だけを見ると、女性の年収は男性の65%ということになりますが、中にはパートで働きつつ、所得税の配偶者控除のために103万円以下、社会保険の扶養の都合で130万円以下にあえて年収を抑えている人もいます。
では、非正規であり、かつ主稼得者である人はどうでしょう。
主稼得者とは「家計の主たる稼得者」、つまり自分の収入が高い割合で家計を支えている人のことです。
単身世帯、一人暮らしは全員が該当します。
主稼得者に限ってみると、実に男性の37.5%、女性の48.9%が年収200万円以下という実態が浮かび上がります。
男性もそこそこの数字で驚きますが、女性で家計を支えている人の半数が貧困とは、同じ女性としてとてもショックです。
もれなく私もその一人ですが、最悪、野垂れ死んだとて誰も困らない立場と、守るべき大切な家族がある女性とでは危機感が違いすぎます。
現在の日本では、年収200万円以下はワーキングプア、働く貧困層と認識されていますよ。
ワーキングプア(英:working poor)とは、貧困線以下で労働する人々のこと。「働く貧困層」と解釈される[1]。「ワープア」と省略されることがある。
ワーキングプア - Wikipedia
正社員ならワーキングプアは年収300万円以下が目安のようです。
正社員で年収300万円以下の人がどの程度いるのか知りたかったのですが、具体的なデータを見つけられませんでした。
こちらは参考になるでしょうか。
大卒かつ新卒の正社員は、1年目の平均年収が200万円前後です。
大卒でも初年度は非正規のワーキングプアすれすれなんですね。
また、高卒の20〜60代の平均年収が260万円とは、この時点で既に正社員のボーダーを割っていることにまたびっくりです。