前の記事で触れたワーキングプアの引用を再掲します。
ワーキングプア
日本では国民貧困線が公式設定されていないため、「正社員並み、あるいは正社員としてフルタイムで働いてもギリギリの生活さえ維持が困難、もしくは生活保護の水準にも満たない収入しか得られない就労者の社会層[4]」と解釈される事が多い。
要するに、世帯の収入だけでは生活していくことが厳しい人たちです。
この説明の中にある「生活保護の水準にも満たない収入」というフレーズが気になりました。
生活保護制度
みなさんもご存知のとおり、日本には生活保護法に基づく生活保護制度があります。
生活保護は、人々の健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長することを目的とした制度です。
具体的には、国が定める最低生活費と世帯全体の収入を比べて、基準に満たない差額が生活保護費として支給されます。
有り体に言えば、足りない生活費、すなわちお金がもらえる制度なのですよ。
支給される生活保護費は、地域や世帯の状況によって異なりますが、食費や光熱費が含まれた生活扶助をはじめとする8つの種類があります。
- 生活扶助
日常生活に必要な費用 - 住宅扶助
アパート等の家賃 - 教育扶助
義務教育を受けるために必要な学用品費 - 医療扶助
医療サービスの費用 - 介護扶助
介護サービスの費用 - 出産扶助
出産費用 - 生業扶助
就労に必要な技能の修得等にかかる費用 - 葬祭扶助
葬祭費用
ただし、誰でも受給できるわけではありません。
先にも述べたように、まずは世帯の収入が最低生活費を満たしていないことが条件です。
また、生活保護は「資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する人」を対象にしています。
- 預貯金、生活に使用していない土地や家屋を持つ人
- 健康で働くことができる人
- 年金や手当など他の制度で支給を受けることができる人
- 親族等からの援助を受けることができる人
これらのいずれかに当てはまる場合は、生活保護の対象になりません。