仕事を辞めた翌週から、何度かハローワークに行きました。
その時の詳しい話は追い追い書くとして、ハローワークには至るところで目にする貼り紙があります。
「大阪府の最低賃金は時給883円」
平成28年10月1日からだそうです。
ちなみに、全国の都道府県別の最低賃金はこちら。
では、この最低賃金はいったい誰が決めているのでしょうか。
厚生省によると「最低賃金は、公益代表、労働者代表、使用者代表の各同数の委員で構成される最低賃金審議会において議論の上、都道府県労働局長が決定しています。」とのこと。
委員の中で公益代表がどういう存在なのかわかりにくいですが、いわゆる学識経験者のことで、労働者代表にも使用者代表にも属さない中立的な立場の人です。
最低賃金を啓蒙することの意義
最終的に最低賃金を決めるのは都道府県の労働局長であり、ハローワークは労働局の関連施設です。
ならば、ハローワークに求人を出している会社が、最低賃金よりも安い給与を提示しているとは考えにくいことです。
一方で、ハローワークを利用している人の全員が失業中とは限りません。
在職中に転職を考えている人には、次の仕事を探すうえで、応募する会社を決める目安になるかもしれません。
また、失業中であったとしても、自分の住む都道府県の最低賃金を知った人は、特別な事情でもない限り、最低以下の賃金で働きたいとは思わないでしょう。
誰にしても人並みの給与を得たいと望むのは当然のことです。
交通費の重み
かく言う私も、貼り紙に触発されて、自分のこれまでの給与と比べてみました。
時給1000円で昇給なしという雇用条件は先に述べた通りですが、実は交通費も含まれています。
要するに、交通費込みの時給1000円なのです。
私の1回の通勤にかかる交通費は、片道790円、往復1,580円でした。
時給1000円で働けば、1日あたり8,000円ですが、交通費を除くと実質6,420円になります。
では、この6,420円を8時間で割ってみると
802.5円
時給802.5円は、大阪府の最低賃金を下回るという衝撃の事実!
本来の時給と比べて197.5円の違いは、1ヶ月に20日働いたとして31,600円、年間にするとおよそ38万円という大きな差を生み出します。
ハローワークに足を運ぶまで、最低賃金の具体的な数字までは知りませんでした。
そして、5年8ヶ月も勤めていたのに、交通費のことをこんな風に掘り下げて考えたことはありませんでした。
ハローワークに行き、度々目にする貼り紙のおかげで、やっぱり辞めてよかったんだと、自分の選択が間違いではなかったことを改めて認識しました。
むしろ、もっと早くに知るべきであったのかもしれません。